六月の手紙     
2019


          年代物の我が家

          居間の床を修理しようとしたら

          ひびの入っていた壁が 耐えきれずに

          落ちてきて 大工事になりました



          混乱は 玉突き状に広がって

          おもちゃ箱を ひっくり返したようになった家の

          あっちから こっちから 出て来たのは

          大小さまざまの ダンボールにパックされた

          "いつか きっと…"の夢の数々  それを

          "もう いいよね"と みんな捨てました



          人の想いは 年月と共に変ります

          七十五才になった私には

          "今なればこそ…"の夢がある


          身軽になって次へ進みたくて

          他にも いろんなものを捨てました



          
""活 じゃなくて ""活

          明日の私にフィットした 新しい夢を

          リュックに詰めて 更なる旅を続けます


       


                        堀江はるよ


  」                       
                     

 
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